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コラム

簡易裁判所における少額請求

上田大介, 林由紀夫 · 2022年4月28日

Q:2年ほど前に、知人に10,000ドルを貸しました。期限12ヶ月、利息5%という条件を記した簡単な借用書も英語で作成し双方で署名しています。しかし期限が過ぎて、何度も催促したにもかかわらず、金利も元本も全く返してくれません。法的手段に訴えようかと考えたのですが、裁判となるとその費用が心配です。あまり費用をかけずに裁判をする方法はないでしょうか。

A:紛争の対象となっている額が比較的少額である場合、弁護士に依頼して裁判をすると、弁護士費用が相対的に高額になってしまい、勝訴しても結局、自分の懐にはあまりお金は入ってこないという結果になるケースがあります。

裁判で敗訴した側は勝訴した側の裁判費用の一部を支払うよう、裁判所により命じられることもありますが、その場合、相手から回収できる金額は実際にかかった裁判費用の一部だけにとどまるのが一般的です。従い、今回のような場合、弁護士に依頼することなくご自分で裁判を起こすことを考えてみてはいかがでしょうか?

このような少額の訴訟案件($20,000以下の係争)を処理するために、裁判所(Local Court)には、Small Claims Divisionという部署が存在します。ここでの訴訟手続きは一般的な裁判所手続きに比べて簡易なものとなっており、弁護士に依頼することなく原告自身で進めることも比較的容易です。

訴状(Statement of Claim)の作成、裁判所への提出、そしてその送達(Service)の方法などは、政府系のウェブサイト(LawAccess NSWなど)で、法律の専門的な知識が無い一般人にもわかりやすく説明されていますので、まずはそこから調べてみると良いでしょう。

実際にSmall Claims Divisionでの訴訟手続きが開始されても、すぐさま裁判になるわけではありません。裁判の前にPre-trial Managementという、裁判所職員を間に入れて簡単な調停手続きがあるのもSmall Claims Divisionの特徴です。裁判に発展せずに、Pre-trial Managementで争いが解決するケースも多々あります。

Small Claims Divisionの裁判の進行は通常の裁判よりも一般人にわかりやすいように裁判官が話してくれる傾向があります。

ただし、Small Claims Divisionの手続きは「他の裁判所での手続きと比べれば、まだ簡単なほう」なのであって、今までに裁判の経験が全く無い方々にとってはハードルが高いかもしれません。まずは弁護士に相談して、Small Claims Divisionで自分で訴訟をするつもりである旨を伝え、最低限のアドバイスを求めたほうが良いかも知れません。また、裁判は被告にとっても相当な負担となりますので、訴訟を開始する前に、借り手に法的手続きに入る意志をしっかり伝え、出来るだけ裁判の前に、借り手と和解するのが好ましいと思います。

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