Logo
コラム

コロナ禍の日本への一時帰国

上田大介, 林由紀夫 · 2021年3月30日

Q:私はオーストラリアに永住して、10年になります。先日、日本にいる80歳の母親がお風呂場で転んでしまい、腰の骨折とういう大怪我を負ってしまいました。今は入院中です。近くに住んでいる兄が母親の面倒を見ていますが、仕事もしている為、思うようにいかず、先日兄から電話があり、母親の面倒を見るためにに一時帰国をしてくれないかとういう要請を受けました。友達に話したところ、「現在のコロナ規制上、永住者が日本に一時帰国するのは、相当難しい」と言われました。私の場合帰国するのは可能でしょうか?また、注意する点があれば、教えて下さい。

A:オーストラリア政府のコロナ対策の一環として、現時点ではDepartment of Home Affairsから特別な許可を取らない限り、オーストラリア永住者(オーストラリア国民も含む)は、日本に渡航することは出来ません。Home Affairsのウェブサイトによると、渡航許可を得る為には「Compassionate and Compelling Reasons」つまり、人道的かつ切実な理由がなければならない、と示されています。さらに同ウェブサイトには、「Compassionate and Compelling Reasons」には、「近親者の葬儀出席または危篤状態(critically ill)の近親者のお見舞いを含む」と書かれており、許可を得る為には、相当な理由が必要となります。尚、3ヶ月以上の日本滞在が予定されている場合には、若干許可取得が緩やかとなっています。

今回の質問者が日本行きの許可を得られるのか否かは、お母様の怪我の程度によると思います。もし命に別条なく、相談者はたんにお母様の看病をする為に日本に一時帰国をしたいとういう事だけであれば、許可取得は難しいと思われます。現に、同じ様な状況で、申請が却下された例があります。無論、お母様の容態が深刻であれば話は別です。今回の様な場合、申請に当たり、お母様に関する医師の診断書の提出が求められますので、お母様の容態に関しては、正確な説明が必要となります。

Home Affairsのウェブサイトには、上記の「Compassionate and Compelling Reasons」に加え、許可対象になる理由がいくつか示されています。例えば、①COVID-19に関連した国際援助、②重大かつやむ得ない商事(雇用も含む)、③オーストラリア国内で受ける事ができない治療の為、④国益の為、等です。上記以外でも、渡航の理由が人道的かつ切実であると判断されれば、許可取得が可能となります。申請にあたり、注意する点は、一旦申請が却下されてしまうと、次に他の理由で申請しても、その信憑性を問われる可能がある為、許可取得が難しくなるとういう事です。従い、申請は慎重に行う事をお勧めします。専門家の意見を聞く事も良いと思います。

Key Contacts

上田大介 profile image

上田大介

弁護士

林由紀夫 profile image

林由紀夫

パートナー弁護士

Related Insights

もっと見る

契約に関する紛争,企業アドバイザリー、M & A,法人税および個人税に関するアドバイス,裁判に代わる紛争解決(ADR),契約書・商業契約全般,コーポレートガバナンス,コンプライアンスおよびアドバイザリーサービス

2025年8月13日

Ad hoc and Institutional Arbitration

Arbitration is an increasingly preferred alternative to traditional litigation, particularly in commercial and international disputes. For businesses engaged in cross-border transactions, especially within the Asia-Pacific region, choosing between institutional and ad hoc arbitration can significantly influence the efficiency, cost and enforceability of dispute resolution. This article outlines key differences and practical considerations to help parties make informed decisions.

詳しく見る

ビジネスイノベーション · 投資ビザ申請,家族移民ビザ,会社単位の就労ビザ申請プログラム,コンプライアンスおよびアドバイザリーサービス

2020年7月28日

オーストラリアにおける新型コロナ自粛期間中の海外への渡航

Q: 私はオーストラリアの永住者です。私の彼は就労ビザでシドニーにある日本企業の駐在員として赴任してきました。知り合ってまだ6か月ですが、将来結婚する予定でいます。先日日本の家族から、父が入院し、相当容態が悪いと連絡がありました。そこで、まだ父が元気なうちに彼を紹介しに日本に帰国したいと考えています。コロナウィルス関連の規制が色々あると思いますので教えてください。 A: まず、永住者である質問者に対しお答えします。オーストラリア政府は現在コロナウィルス感染防止のため、原則的にオーストラリア人及びオーストラリアの永住者の海外渡航を禁止しています。但し、人道的な理由がある場合には一部例外が認められますが、かなり厳しい審査が行われます。よほどの差し迫った理由が無い限り、渡航は認められません。 例えば、先般オーストラリア永住者が老親の介護のために日本に帰国したいと申請したところ、しばらくなんら移民局から連絡がなく、再三に渡り問い合わせをしたところ、最終的に許可が下りたのは、約5週間後でした。質問者の「入院している父親の存命中に婚約者を紹介したい」という理由が「人道的」例外であると認められるかは定かでありません。実際に申請をしてみなければわかりませんが、恐らく、インターネットを使ってお父様とビデオ通話が出来る事から、渡航許可が下りる可能性は低いのではないかと思います。 仮に許可が下りて日本に帰国した場合、飛行場でPCR検査等が行われます。事前に申告した自宅又は飛行場での待機場所、または指定された施設でその結果を待つことになります。 陰性であれば14日間、自宅、またはホテルで待機する必要があります。飛行場から自宅又はホテルに移動するために公共交通機関を利用することはできません。つまり、レンタカーか家族などによる送迎に頼ることになります。日本滞在後、オーストラリアに帰国した場合、政府指定のホテル(自己負担約$3,000)で14日間のSelf-isolationをする義務が課されます。 永住者でないあなたの彼は、恐らく永住者であるあなたの直近の家族とは認められないと思われますので、日本への帰国は出来ますが、コロナウィルス規制期間中オーストラリアに再入国することが出来なくなる可能性があります。

詳しく見る

技能移民ビザ申請,コンプライアンスおよびアドバイザリーサービス

2016年8月10日

Consumer Guide - Migration Agents Registration Authority

Consumer Guides issued by the Office of the Migration Agents Registration Authority Registered migration agents are skilled people who must meet professional standards, follow the Code of Conduct and maintain up-to-date knowledge of migration law and procedure. Your agent must be registered with the Office of the Migration Agents Registration Authority (OMARA), which ensures that only suitable persons are registered to provide immigration assistance. To check if a person is registered, visit OMARA’s website.      The Code of Conduct ensures that your registered migration agent will: Complaints - If you experience a problem with your registered migration agent you should try to      resolve it with them.

詳しく見る