Q:COVID-19のワクチン接種をする予定です。あいにく平日しか予約が取れず、勤務時間に影響が出てしまいます。また、接種後仕事ができなくなるほどの副反応が出た人もまわりにいて心配です。ワクチン接種をするにあたり、Sick Leaveの取得は可能なのでしょうか?
A: Sick Leave(疾病休暇)は正確にはPersonal Leaveという有給休暇の一部です。本人の疾病及び近親者の看病などのために法律により年10日間(フルタイム雇用の場合)の有給Personal Leaveが認められています。未消化のPersonal Leaveは翌年に繰り越されます。
自分自身の病気や怪我により、就労不能(Not fit for work)となった場合に、Personal Leaveの取得が認められます。法律上、雇用主は疾病休暇を取った従業員に対し、“Not fit for work”の証明として、医師の診断書等の提出を求めることが出来ます。
ちなみに、法律は病気や怪我の原因には言及していませんので、極論すると飲みすぎでひどい二日酔いになった場合でも、就労不能であれば、Personal Leaveは取得できます。(医師の診断書は必要になるかもしれません。)
ワクチン接種のためにPersonal Leaveを取得できるか?との問いについては、ワクチン接種時点でその従業員は「Not fit for work」にあたらないので、原則的に「できない」と考えます。しかしながら、昨今、ワクチン接種は広く奨励されていますので、勤務時間内のワクチン接種による遅刻・外出についての寛大な措置につき、会社と相談すると良いと思います。もし会社がPersonal Leaveを認めなければ、代わりにAnnual Leave等を使うといった対応が必要になるかもしれません。もし、会社がワクチン接種を義務付ている場合は、勤務時間内のワクチン接種は業務の一環であると考えられ、Leaveの取得は必要ありません。
ワクチン接種後、もし「Not fit for work」となるほどにひどい副反応が出れば、問題なくPersonal Leaveを取得することが出来ます。言うまでもなく、副反応で会社を休まなければならなくなった場合、Personal LeaveもAnnual Leaveも残っていなければ、Leave without pay(無給休暇)になります。しかし会社によりワクチン接種が義務づけられている場合は、副反応により会社を2、3日休んだとしても、自身のPersonal Leaveを使う必要はないという考えが十分成り立つと思います。
また、会社がワクチン接種を義務付けているのではなく、単に奨励している場合は、接種日に出勤時間を遅らせる・ワクチン接種のための外出・早退等に関する扱い及び、接種後の副反応によるPersonal Leave取得に関し事前に会社と話し合っておくと良いと思います。